【一言コラム】雨の日を楽しむには? イメージ

 まもなく梅雨。じめじめとした雨の多い季節がやってきます。
 道端にはアジサイが姿を現し、まるで水彩画のような風景が見られる季節でもありますが、カーテンを開けた時に雨降りだとわかると、なんとも憂鬱な気持ちになりますよね。ましてや、着脱したスーツやジャケット、バッグの中の折りたたみ傘や子供の送り迎え時に使用したレインコートなど何かと手荷物は増え、帰宅しても乾ききっていない洗濯物を思い出すだけでも不快さが付きまといます。
 
 さて、「雨」と言うと、みなさんはどんなイメージをもたれますか?
 ザーっと降る雨、しとしと降る雨、停電を引き起こしそうな雷雨、庭先をじわじわ湿らせる霧雨などなど・・・。様々な降り方をする雨ですが、それぞれには降る時期や降り方によって名前がついており、古来より人々の生活の中では<風情>の顔としても親しまれていたようです。

【雨の名前】

 ①雨(はるさめ):春後半に降り続く、しとしとした雨。
 ②時雨(しぐれ):秋の終わりから冬の初めに降る冷たいにわか雨。
 ③神立(かんだち):雷。雷鳴。雷をともなう雨。
 ④天泣(てんりゅう):天気雨。「狐の嫁入り」とも。
 ⑤卯の花腐し(うのはなくたし):初夏に降る、卯の花を腐らせるほど降り続く長雨。
 ⑥分龍雨(ぶんりゅうう):夏、まるで龍の体を分けるほど激しく降る雨。
 ⑦喜雨(きう):夏、日照り続きのあとに降る雨。
 ⑧肘笠雨(ひじかさあめ):急に降り出した雨。肘を傘の代わりにして軒先まで走る様子から。

 これらの表現は、時に季語として和歌や俳句に詠まれてはいるものの、日常会話としての使用頻度は多くないかもしれません。
 ですが、ふと、雨の降り方を観察してみる、タイミングに乗じて家族や想う人の様子を案じて電話をしてみる、交差点で傘の行き交う景色を眺めてみる、思い切ってレインコートを着て子供の散歩に付き合うなど、ライフスタイルに合わせて楽しみ方を探してみると、梅雨の季節ならではの味わい深さや面白みを見出すことができるのではないでしょうか?

 梅雨を抜ければまもなく夏です。気持ちのよい青空を心待ちにしつつ、この季節を乗り切りましょう。